充血
しばらくして慣れてくると充血は取れてきますが、いつまでも続くのは何らかの目の障害が起こっていることが考えられますので、眼科を受診して下さい。
- ①角膜上皮障害(点状表層角膜炎、角膜びらん)角膜(黒目)は透明である必要性から、血管が通っておらず、大気中より酸素を直接取り入れています。(そのため、コンタクトレンズは酸素透過性が高いものが求められます。)
しかし、酸素透過性の低いレンズの長時間装用により角膜に(急激な)酸素不足がおこるとまず、周囲の結膜の血管が拡張し、酸素を補充しようとします。それでも長期装用などで酸素が足りない状態が続くと、角膜が腫れたり(角膜浮腫)、傷(点状表層角膜炎)ができて炎症を生じ、さらに悪化すると傷が広く、深くなっていき(びらん、潰瘍)、激しい痛みや強い充血がおこります。 - ②細菌性角膜炎(角膜潰瘍)、アカントアメーバ角膜炎傷ついた角膜(角膜上皮障害)に細菌やカビ、アメーバは感染すると重篤になります。(ほとんどがソフトコンタクトを装用している人に起こります。)アカントアメーバは水道水中に存在する原虫で消毒の不十分なコンタクトレンズやレンズケアに水道水を使用した際などについていることがあります。角膜潰瘍に感染を合併した場合は非常に危険でときには失明につながります。
- ①:軽度の場合、異物感、目がしみる。重症になると、激しい眼痛、強い充血
- ②:強い疼痛、強い充血
- ①:(急激な)酸素不足(コンタクトレンズの汚れや長期装用など)や、目の乾燥(ドライアイ)、レンズによる機械的なこすれ(目に適合していないカーブやデザインのレンズの装用)など
- ②:細菌のよるものが多く、角膜上皮のバリアーが破壊されると起きやすくなります。
- ①:コンタクトレンズの装用を中止し、加療します。
・人工涙液やヒアルロン酸頻回点眼
・コンタクトレンズのフィッティングの確認、デザインを変更する
その他、正しいケア方法の再指導をうけましょう。 - ②:原因となっている細菌に効果のある抗生剤を投与すれば改善します。
アカントアメーバに対しては確立された方法はありませんが、抗真菌(カビ)剤の全身投与や抗アメーバ作用のある薬剤の点眼などを組み合わせて対処します。
その他、安全対策として
・レンズの洗浄・保管はレンズケア用精製水をつかいましょう
・レンズを保存液で長期間保管した場合、細菌増殖の恐れがあるため、再度洗浄・消毒など適切な処理をしましょう
・装用時間は守り、就寝時の外しましょう